脂肪吸引の質を決めるのは、医師の腕だけではありません。どんな道具を、どう使うか。そこにも、はっきりとした差があります。
IANA CLINICが採用しているMicroAireは、世界60カ国以上で使われ、25年以上の実績を積んできたパワーアシスト式脂肪吸引システムです。広島でこの機器を導入している施設は、ごくわずかです。今回は、この機器が何を可能にするのか、そしてなぜ当院がこの機器にこだわり続けているのか、お伝えします。
この記事でわかること
・MicroAire(パワーアシスト式脂肪吸引システム)の仕組み
・地方都市でこの機材を導入する医師が少ない、その理由
・麻酔を入れる段階から、すでに仕上がりに差がついている理由(SST)
・研究データに見る、この機器の実際の効果
・広島で、都市部と同じ水準を受けられることの意味
MicroAireとは
MicroAireは、米国バージニア州に本社を置くMicroAire Surgical Instruments社が開発した、Power-Assisted Liposuction(PAL、パワーアシスト式脂肪吸引)システムです。同社は1994年の設立以来、整形外科・美容外科分野の手術器具を専門に手がけてきました。
MicroAireのカニューレ(脂肪を吸引する管状の器具)は、先端が毎分4,000〜5,000回という細かい周期で、3.2mmのストロークで前後に往復運動します。この振動が、脂肪を周囲の組織から優しく分離させる役割を果たします。
25年以上、世界の脂肪吸引の現場で使われ続け、改良を重ねてきた実績あるシステムです。医療機器の世界で、これほど長く使われ続けているという事実そのものが、性能の証明になります。
なぜ、地方でこの機材を選ぶ医師が少ないのか
正直にお伝えします。この機材は、決して安いものではありません。導入には非常に大きな投資が必要です。効率だけを考えるなら、なくても手術自体はできてしまう機材でもあります。だからこそ、地方都市でこの機材を導入している施設は、極めて限られています。
多くのクリニックにとって、この投資は「割に合わない」という経営判断になります。実際、正直に言えば私自身も、経営的な効率だけを考えるなら、導入しない方が合理的だったかもしれません。
それでも導入したのは、「東京や韓国まで行かなくても、世界基準の、痛みの少ない、仕上がりの綺麗な脂肪吸引をこの街で受けてほしい」という一心からです。設備投資を惜しんで妥協するくらいなら、その分の負担を私が引き受ける——そう決めました。
当院の脂肪吸引が、いわゆる「最安値」ではない理由も、ここにあります。価格を追いかけるのではなく、組織を一切妥協なく温存する、丁寧な脂肪吸引を追求した結果として、今の形があります。
なぜ「手だけ」の脂肪吸引では限界があるのか
従来の脂肪吸引の多くは、医師が自分の手の力だけでカニューレを動かす方法(SAL:Suction-Assisted Liposuction)に頼っています。これは決して誤った方法ではありませんが、構造的な限界があります。
手の力に頼った吸引は、力の入れ方に必ずムラが出ます。長時間の手術になればなるほど、医師の疲労が操作の精度に影響します。
皮膚を支える「土台」への配慮
皮膚のすぐ下には、目に見えない網目状の組織が広がっています。神経や血管、それらを支える繊維組織、むくみに関係するリンパ管——これらが、皮膚がたるまないように内側から支える「土台」の役割を果たしています。
脂肪を十分にほぐさずに力任せで吸引してしまうと、脂肪だけでなく、この土台の組織まで一緒に引き剥がされてしまうことがあります。土台の組織が傷つくと、その部分が瘢痕組織として癒着し、収縮することで、術後の凹凸として現れます。
MicroAireの微細な振動は、力任せに引きちぎるような操作を必要とせず、この土台を傷つけずに脂肪だけを分離することを可能にします。大切な組織は壊さない——これが、当院の脂肪吸引において最も重視している一点です。
麻酔を入れる瞬間から、すでに差がついている
当院では、MicroAireを吸引の工程だけでなく、麻酔液(チュメセント)を組織に浸透させる、手術の一番最初の段階から使用しています。一般的に、パワーアシスト式の機材は「吸引するときだけ」使うものと考えられがちですが、当院はこの常識にとどまりません。
麻酔液を撒く段階からMicroAireと特注のカニューレを組み合わせることで、組織を優しく剥離しながら、麻酔液を圧倒的に速く、かつ均一に浸透させることができます。麻酔が最も効いているタイミングで組織の剥離・吸引を行えるため、手術中の出血が少なく、手術時間そのものも短縮できます。
つまり、脂肪を吸引する前、麻酔を入れる瞬間から、すでに仕上がりに差がついているということです。この手法は、米国のトップクラスの医師たちが実践している考え方を土台にしており、当院ではこれをさらに独自の形に発展させています。
数字が語る、この機器の実力
MicroAireの価値は、感覚論ではなく、実際の研究データでも裏付けられています。
米国の専門誌に掲載された研究(Katz BE, et al. Dermatologic Surgery, 2001)では、従来の吸引方法と比較して、手術時間、術中の痛み、外科医の疲労が有意に軽減され、1分あたりに吸引できる脂肪量が増加したと報告されています。術後の痛みや内出血、むくみも軽減され、患者の満足度スコアも高かったとされています。
脂肪注入(脂肪豊胸など)のための脂肪採取に関する研究(Codazzi D, et al. World Journal of Plastic Surgery, 2015)では、経験を積んだ術者が用いると、従来の方法より1分あたりの採取量が45%増加すると報告されています。
道具の性能が、そのまま手術の精度と、患者様の回復の質に直結する——これが、当院がこの機器にこだわり続けている理由です。
脂肪採取効率に関する報告
脂肪注入(脂肪豊胸など)のための脂肪採取に関する研究(Codazzi D, et al. World Journal of Plastic Surgery, 2015)では、この機器を用いた採取について、8症例ほどの経験を積んだ術者が行うと、従来の方法より1分あたりの採取量が45%増加すると報告されています。同時に、無菌的な採取、ドナー部位(採取した部位)の合併症の最小化、質の高い脂肪の確保にも寄与するとされています。カニューレの往復運動により、線維質の多い脂肪でも組織を容易に貫通できるため、熱エネルギーを使わずに、皮膚の熱傷リスクなく採取できることも特徴です。
初期の比較研究
より初期の段階の研究(Fodor PB, et al. Aesthetic Plastic Surgery, 1999)では、30名の患者を対象に、パワーアシスト式と従来の吸引方法が比較されました。回復速度や見た目の美的結果そのものに大きな差はみられなかった一方で、脂肪を摘出する際の容易さについては、パワーアシスト式が明確に優れていたと報告されています。これは、術者の負担軽減という価値が、この技術の初期段階から既に認識されていたことを示しています。
道具の性能が、そのまま手術の精度と、患者様の回復の質に直結する——これが、当院がこの機器にこだわり続けている理由です。
広島で、この水準を実現するということ
この水準の機材を導入・運用できる施設は限られており、国内でも多くは東京をはじめとする都市部のトップクリニックに集中しています。
これまで、地方にお住まいの方が、こうした水準の技術や設備を求める場合、わざわざ高額な渡航費や滞在費をかけて、ダウンタイムやアフターフォローの不安を抱えながら、遠方まで足を運ぶという選択をされることが少なくありませんでした。
しかし、手術は「受けて終わり」ではありません。術後の経過観察、万が一の異常があったときの対応、数か月後の仕上がりの確認——これらすべてが、通いやすい距離にあるかどうかで、安心感がまったく変わります。何かあってもすぐに駆け込める距離に、この水準の設備と技術を備えたクリニックがある。これは、地方都市において最大級のアドバンテージです。
当院は、広島にいながら、東京や海外の一流クリニックと並ぶ水準の機材・技術で、脂肪吸引を提供しています。地方だからという理由で、質を落とす選択をする理由は、患者様にも、私たちにもありません。
安全性への向き合い方
こうした機材への投資は、結果の美しさのためだけではありません。安全性の土台でもあります。当院では、高度な麻酔管理と徹底したモニタリング体制のもと、清潔・不潔の管理を厳密に行いながら手術を行っています。機材が優れていることは、医療の安全性と結果を追求するうえでの、当たり前の大前提です。その上に、韓国での厳しい研鑽で培った技術を掛け合わせることで、初めて意味のある結果につながります。
スペックではなく、その先にあるもの
「毎分4,000回振動する」「3.2mmのストロークがある」——こうした数字自体は、患者様にとって重要ではありません。大切なのは、その結果、何が変わるかです。
・繊細な部位でも、凹凸のない均一な仕上がりを目指せる
・周囲の組織への負担が少なく、腫れや内出血を抑えやすい
・広い範囲でも、集中力を保ったまま丁寧な操作を続けられる
・脂肪注入に使う脂肪も、質の高い状態で採取できる
優れた技術を持つ術者ほど、その技術を100%発揮するための道具にこだわります。当院がこの機器を手放さない理由も、同じです。
顔・二の腕・ボディで、意味は変わる
顔・顎下
顔は、わずかな凹凸や左右差も目立ちやすい、非常に繊細な部位です。皮膚のすぐ下という浅い層を、安定してコントロールできるかどうかが、仕上がりを大きく左右します。MicroAireの微細な振動は、この繊細な部位でこそ、その真価を発揮します。
二の腕
二の腕は、単に細くするだけでなく、肩から肘にかけてのなだらかなラインを保つことが重要です。「取れるか」だけではなく、「腕全体を通して、ムラなく整えられるか」が問われる部位です。
ボディ(腹部・腰・太ももなど)
広い範囲を扱う手術では、術者の疲労の蓄積が、後半の操作の精度に直結しやすくなります。MicroAireによる負担軽減は、手術全体を通じた仕上がりの安定性につながります。
SAFE Lipoとの関係——道具と思想の両輪
MicroAireは、単独で完結する機械ではありません。当院が土台としているSAFE Lipoという考え方——脂肪を分離し、吸引し、残った層を均一に整えるという一連の設計思想——の中で、この機器の性能は初めて最大限に活きます。
道具だけが優れていても、それを使いこなす技術と思想がなければ、結果にはつながりません。当院は、韓国での研鑽で培った技術と、この機器の性能を組み合わせることで、他院にはない仕上がりを目指しています。
まとめ
・MicroAireは、世界60カ国以上、25年以上の実績を持つ、業界トップクラスのパワーアシスト式脂肪吸引システム
・導入には大きな投資が必要なため、地方都市でこの機材を選ぶ施設は極めて限られている
・手の力に頼る従来の方法の限界を、機械の力で補い、皮膚を支える「土台」を傷つけずに、均一で精度の高い脂肪吸引を可能にする
・麻酔を入れる段階から使用することで、手術の最初の瞬間から仕上がりに差がついている
・研究データでも、脂肪採取効率の向上(45%増)や、手術時間・術者疲労の軽減が示されている
・当院は、広島にいながら、都市部のトップクリニックと並ぶ水準を提供している
・道具の性能と、それを使いこなす技術・思想(SAFE Lipo)の両方が揃って、初めて本当の結果につながる
わざわざ都市部まで足を運ばなくても、世界基準の技術と設備を受けられる場所が、ここにあります。仕上がりのイメージや、ご自身に適した施術について気になる方は、お気軽にご相談ください。
参考文献
・MicroAire PAL System(製品情報) https://www.microaire.com/product/pal-system/
・MicroAire Surgical Instruments 公式サイト https://www.microaire.com/
・Katz BE, Bruck MC, Coleman WP 3rd. The benefits of powered liposuction versus traditional liposuction: a paired comparison analysis. Dermatologic Surgery. 2001;27(10):863-867. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/11722522/
・Codazzi D, et al. Power-Assisted Liposuction (P.A.L.) Fat Harvesting for Lipofilling. World Journal of Plastic Surgery. 2015;4(2):177-183. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC4537612/
・SAFELipo Technology(技術解説) https://www.safelipo.com/technology/

穴井 元康
IANA CLINIC
院長
経歴
2015年 Centre Hospitalier Universitaire Grenoble Alpes(フランス)
2016年 Mackay Memorial Hospital(台湾)
2017年 産業医科大学医学部医学科 卒業
国立病院機構九州医療センター勤務
2019年 トヨタ自動車株式会社 専属産業医
2020年 東北大学病院、東北労災病院 整形外科勤務
2021年 都内整形外科クリニック院長
2023年 大手美容クリニック勤務
2025年 韓国 LaPrin Plastic Surgery Fellowship
2025年 IANA CLINIC開院
患者様一人ひとりのお悩みやご希望に丁寧に向き合い、
自然な仕上がりを重視した美容医療の提供に努めています。