「術後、どのくらいで普通に歩けますか」
「膝が曲げられなくなったりしませんか」
「仕事はいつから戻れますか」
膝の脂肪吸引を検討されている方から、こうしたご質問をいただきます。
ダウンタイムを具体的にイメージできるよう、術後当日から6か月までを時系列で解説します。
膝は、日常の動作で常に曲げ伸ばしをする部位です。そのため、他の部位とは経過の感じ方が異なります。
この記事でわかること
✅ 当日から6か月までの経過
✅ 膝を曲げるときの突っ張り
✅ 歩行と仕事復帰の目安
✅ 拘縮が現れる時期
ダウンタイムの経過
先に、大まかな見通しをお伝えします。
| 時期 | 状態の目安 |
|---|---|
| 当日 | 腫れや痛みが現れ始める。無理のない範囲で歩行を開始する |
| 2〜3日 | 腫れのピーク |
| 1〜2週間 | 内出血が薄れていく |
| 2週間〜1か月 | 張り感が残り、拘縮を感じ始めることがある |
| 1〜3か月 | 硬さ・つっぱり感が目立ちやすい |
| 3〜6か月 | 完成の目安 |
ダウンタイムには個人差がありますが、多くの方はこの流れに沿って少しずつ回復していきます。
膝は吸引量が多い部位ではありませんが、動かす頻度が高いため、動作時の違和感を感じやすいという特徴があります。
術後の経過
当日
手術が終わったあと、圧迫着を着用した状態でお帰りいただきます。
麻酔から覚めたあとも、しばらくはぼんやりとした感覚が残ります。当日はご自身で車を運転しないでください。
痛みは、術後数時間で感じ始める方が多くいらっしゃいます。処方したお薬で対応していただきます。
歩くことはできますが、膝を曲げるときに突っ張るような感覚があります。無理のない範囲で移動してください。
シャワーは翌日からです。
翌日〜3日
腫れのピークは、術後2〜3日頃です。
この時期は膝が腫れて見え、輪郭が分かりにくくなります。膝を曲げにくいと感じる方が多い時期でもあります。
内出血が皮膚に現れ始めます。膝の周囲から下方へ広がることがあります。
シャワーは翌日から可能です。創部も強くこすらず、泡でやさしく洗い、流水で十分に洗い流してください。
この時期も、無理のない範囲でこまめに歩いていただきます。 長時間動かない状態を避け、脚の筋肉を動かすことは、静脈うっ滞を減らし、血栓症を予防するうえで大切です。
1週間
腫れのピークを過ぎ、少しずつ落ち着いてきます。
内出血の色が変化し始めます。紫から黄色へ変わっていく過程です。
膝の曲げ伸ばしは楽になってきますが、深く曲げる動作では突っ張りが残ります。
術後1週間の診察では、創部の状態や腫れ、内出血の経過を確認します。
2週間
内出血はおおむね薄れてきます。
入浴は、術後約2週間後から可能です。創部の状態によっては開始時期を調整することがあります。
一方で、張り感やむくみは残っています。 早い方では、硬さやつっぱり感などの拘縮を感じ始めることがあります。
「まだ細くならない」と感じても、この時期は珍しい経過ではありません。
1か月
拘縮による硬さやつっぱり感が、目立ちやすくなる時期です。
膝の場合、曲げ伸ばしのたびに硬さを感じることがあります。回復の過程で起こるもので、経過とともに和らいでいきます。
見た目の変化を実感し始める方も増えてきますが、まだ完成ではありません。
ランニングや筋力トレーニングなど脚に負担のかかる運動は、術後約1か月を目安に、痛みや腫れの経過を確認しながら段階的に再開していただきます。
3か月
拘縮が和らいでくる時期です。
むくみや硬さが徐々に落ち着き、この頃になると膝の輪郭を確認しやすくなります。 ただし、残り方には個人差があり、まだ変化が続く方もいらっしゃいます。
6か月
完成の目安です。
傷跡はまだ成熟の途中で、赤みや色素沈着が残っている場合があります。
膝を曲げるときの突っ張り
膝の術後で、他の部位と大きく違うのがこれです。
膝は、日常の動作で常に曲げ伸ばしをする部位です。
歩く、階段を上り下りする、しゃがむ、椅子に座る。これらの動作すべてで膝が動きます。そのため、術後の突っ張りを感じる場面が多くなります。
時期による変化
術後数日 — 曲げにくさを感じる方が多い時期です。腫れによるものが主体です。
1週間〜 — 曲げ伸ばしは楽になりますが、深く曲げる動作では突っ張りが残ります。
1〜3か月 — 拘縮の時期です。曲げ伸ばしのたびに硬さを感じることがあります。
無理に伸ばす必要はありません
突っ張りを感じるからといって、無理に可動域を広げようとする必要はありません。
日常の動作の範囲で動かしていただければ十分です。痛みを我慢して強く曲げ伸ばしすることは避けてください。
歩行と仕事復帰
日常生活への復帰時期は、仕事内容や生活スタイルによって異なります。
歩行
歩行は当日から可能ですが、術後の状態を確認しながら、無理のない範囲で少しずつ始めていただきます。
長時間動かない状態を避けることは、静脈うっ滞を減らし、血栓症を予防するうえで重要です。
一方で、長時間の立ちっぱなし・座りっぱなしは避けてください。
仕事復帰
職種によって変わります。
デスクワーク — 数日で復帰される方が多くいらっしゃいます。ただし膝を曲げた姿勢が続くため、こまめに立って歩いてください。
立ち仕事 — 余裕をもった予定をおすすめします。
しゃがむ動作が多い仕事 — 膝を深く曲げる動作は突っ張りを感じやすいため、経過を見ながらの再開になります。
圧迫着を着用したまま過ごしていただくため、服装の準備もしておいてください。
むくみが膝下に降りてくることがあります
術後に生じた水分は、重力の影響で下方に移動します。
膝を吸引したのに、ふくらはぎや足首がむくむことがあります。一時的な変化で、術後の腫れが落ち着くにつれて改善していきます。
圧迫着を正しく着用し、こまめに歩くことが軽減につながります。
拘縮について
拘縮は、脂肪を取り除いた部分が治っていく過程で起こる、皮膚と組織の硬さです。
術後2週間頃から感じ始める方もいらっしゃいますが、多くは1か月前後から現れ、1〜3か月ほど続きます。
膝では、曲げ伸ばしのたびに硬さを感じることがあります。多くは時間の経過とともに和らいでいきます。
通常の経過とは異なる症状
次のような変化がある場合は、拘縮や通常のむくみと自己判断せず、早めにご連絡ください。
- 片脚だけ腫れが急に強くなる
- 痛みが急に増す
- 赤みや熱感が広がる
- 発熱が続く
- 膝が急に曲げられなくなった
気になる症状がある場合は、「様子を見て大丈夫か」を含め、お気軽にご相談ください。
よくある質問
Q. 術後、膝は曲げられますか?
曲げていただけます。
ただし、術後数日は腫れによって曲げにくさを感じることがあります。普段どおりの動作ができれば十分で、それ以上に広げようとする必要はありません。
Q. 正座はいつからできますか?
膝を深く曲げる動作は、突っ張りを感じやすくなります。
時期を一律にお伝えすることはしていません。痛みや張りの程度を見ながら、無理のない範囲で試していただく形になります。
多くの方は拘縮が軽くなるにつれて徐々に楽になります。
Q. 階段の上り下りはできますか?
可能ですが、術後しばらくは膝を動かした際に突っ張りを感じることがあります。
転倒を防ぐため、手すりを使い、急がず一段ずつ移動してください。
Q. 足首までむくんできました
膝を吸引した場合でも、生じた水分が下方に移動してふくらはぎや足首がむくむことがあります。多くは一時的な変化です。
圧迫の着用と、こまめに歩くことが軽減に役立ちます。
Q. いつから細くなったと実感できますか?
早い方では、腫れが引き始める数週間後から変化を感じます。
ただし、むくみや拘縮が残るため、輪郭を評価しやすくなるのは3か月頃、完成の目安は3〜6か月です。
Q. 膝が硬く感じます
拘縮による硬さの可能性があります。多くは1か月前後から現れ、1〜3か月ほど続きます。
膝では曲げ伸ばしのたびに感じることがありますが、時間の経過とともに和らいでいきます。
Q. スカートはいつから履けますか?
内出血が薄れるまでは、1〜2週間程度をみていただきます。
傷跡については、成熟するまでに時間がかかります。詳しくは別の記事でご説明しています。
まとめ
膝の脂肪吸引では、腫れのピークが術後2〜3日、内出血が1〜2週間、拘縮による硬さが目立つのが1〜3か月、完成の目安が3〜6か月です。
膝で他の部位と違うのは、曲げ伸ばしのたびに突っ張りを感じることです。歩く、階段を使う、しゃがむ、椅子に座る。これらの動作すべてで膝が動くため、違和感を感じる場面が多くなります。
無理に可動域を広げる必要はありません。普段どおりに動かせていれば十分です。
歩行は当日から可能ですが、状態を確認しながら無理のない範囲で始めていただきます。避けたいのは、長時間まったく動かない状態です。
また、術後に生じた水分は重力の影響で下方に移動するため、ふくらはぎや足首がむくむことがあります。
▶ 膝・ふくらはぎの脂肪吸引|施術内容・費用・ダウンタイム
膝でお悩みの方へ
ダウンタイムをどう見積もるかは、手術を受けるかどうかの判断そのものに関わります。
膝は動かす頻度が高い部位のため、経過の感じ方が他の部位とは異なります。お仕事の内容や生活によって必要な休みは変わるため、診察では術後の生活まで含めてご案内します。
気になる症状がある場合や、日常生活で判断に迷うことがあれば、診察を待たずにご連絡ください。
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TEL:082-298-0505
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穴井 元康
IANA CLINIC
院長
経歴
2015年 Centre Hospitalier Universitaire Grenoble Alpes(フランス)
2016年 Mackay Memorial Hospital(台湾)
2017年 産業医科大学医学部医学科 卒業
国立病院機構九州医療センター勤務
2019年 トヨタ自動車株式会社 専属産業医
2020年 東北大学病院、東北労災病院 整形外科勤務
2021年 都内整形外科クリニック院長
2023年 大手美容クリニック勤務
2025年 韓国 LaPrin Plastic Surgery Fellowship
2025年 IANA CLINIC開院
患者様一人ひとりのお悩みやご希望に丁寧に向き合い、
自然な仕上がりを重視した美容医療の提供に努めています。
