「ほうれい線の上に肉が乗っています」
「笑っていなくても、鼻の横が膨らんでいます」
「ほうれい線そのものより、その上に乗っている膨らみが気になります」
ほうれい線について、こうしたご相談をいただきます。
ほうれい線の見え方には、浅層・深層脂肪の分布、皮膚のゆるみ、支持組織、表情筋、骨格など、複数の要素が関わります。
ほうれい線上方の膨らみにナゾラビアルファットの厚みが関与している場合には、その厚みを減らすことが選択肢になることがあります。
この記事では、ナゾラビアルファット除去が適しているのはどういう場合かをご説明します。
この記事でわかること
✅ ナゾラビアルファットとは何か
✅ 厚みが関与している場合の特徴
✅ 脂肪を減らしても改善が得られにくい場合
✅ 診察で確認していること
ナゾラビアルファットとは
鼻の横からほうれい線に沿って位置する、浅層の脂肪区画です。
顔の皮下脂肪は単一の連続した塊ではなく、複数の区画に分かれています。ナゾラビアルファットはその一つで、ほうれい線のすぐ外側にあたります。
この部分に厚みがあると、ほうれい線の上が盛り上がり、溝が強調されて見えます。
ほうれい線の上に「肉が乗る」タイプがあります
次のような場合には、ナゾラビアルファットの厚みが見え方に関与している可能性があります。
- 無表情でも、鼻の横からほうれい線上方に膨らみがある
- ほうれい線上方に、つまめる皮下組織の厚みがある
- 若いころから同じ位置のボリュームが目立っていた
- 体重が減っても、この部分の膨らみが残っている
ただし、つまんだ厚みには皮膚や結合組織も含まれます。また、脂肪の厚みと組織の下垂が同時に関与していることもあるため、これらだけで適応を判断することはできません。
脂肪の厚みと組織の下垂は、分けて評価します
ほうれい線上方の膨らみには、もともとの脂肪の厚みが関わっている場合と、加齢に伴う組織の位置変化が関わっている場合があります。
若いころから同じ位置のボリュームが目立っていた場合は、もともとの脂肪分布が関与している可能性があります。一方、近年になって膨らみや溝が目立ってきた場合は、皮膚や支持組織、深部脂肪、骨格の変化も考える必要があります。
実際には、脂肪の厚みと組織の下垂が重なっていることも少なくありません。 どちらか一つに決めつけず、それぞれの関与を確認して治療を選びます。
ナゾラビアルファット除去で変わること
ほうれい線上方にある浅層脂肪の厚みを調整する施術です。
ナゾラビアルファットの厚みが膨らみの主体であれば、ほうれい線上方の盛り上がりが軽くなり、溝との高低差が目立ちにくくなることがあります。
ただし、ほうれい線そのものをなくす施術ではありません。 皮膚のゆるみ、支持組織、深部脂肪、骨格など、脂肪以外の要素による溝は残ります。
変化の程度は、脂肪以外の要素にも左右されます
ナゾラビアルファットは顔の中央に近いため、わずかな厚みの変化でも見え方が変わることがあります。
一方で、ほうれい線には複数の組織が関わるため、脂肪を減らした量と見た目の変化が比例するわけではありません。
診察では、脂肪の厚みを減らすことで、どの部分にどの程度の変化が期待できるかをご説明します。
脂肪を減らしても十分な改善が得られにくい場合
ほうれい線は、脂肪だけでできているわけではありません。
次のような要素が主体である場合、ナゾラビアルファットを減らしても、ほうれい線の見え方は十分に改善しないことがあります。
皮膚のゆるみ・組織の下垂が主体の場合
加齢によって支持組織がゆるみ、頬の組織が下方へ移動すると、ほうれい線の位置に段差ができます。
皮膚のゆるみや組織の位置変化が主体の場合、浅層脂肪を減らしても、ほうれい線の溝は十分に改善しません。
また、皮膚の状態に対して脂肪を減らしすぎると、ボリューム不足や皮膚の余りが目立ち、かえって中顔面が痩せた印象になる可能性があります。
この場合には、リフト系の治療など、別の方法が適していることがあります。
骨格による場合
上顎の形や、鼻から口元にかけての骨の張り出しによって、ほうれい線の位置に溝ができることがあります。
骨格による部分は、脂肪吸引では変わりません。
深部のボリューム不足による場合
加齢などによって深部のボリュームが低下すると、頬の中央が凹み、相対的にほうれい線が深く見えることがあります。
この場合、減らすのではなく足す治療(脂肪注入やヒアルロン酸注入)が適していることがあります。
ほうれい線に対して、脂肪を減らすことが答えになる方と、ならない方がいます。
診察で確認していること
診察では、次の点を確認します。
触ってみる
ほうれい線の上を、力を抜いた状態でつまんでみてください。
しっかりとつまめる厚みがある場合、脂肪が関与している可能性があります。ただし、つまんだ厚みには皮膚や結合組織も含まれるため、これだけで判断するわけではありません。
若いころと比べる
若いころから同じ位置に膨らみがあったという場合、もともとの脂肪の分布による可能性があります。
一方、ここ数年で目立つようになったという場合は、たるみや深部のボリューム変化が関わっていることがあります。
姿勢による見え方の変化
立った状態と仰向けの状態で、ほうれい線上方の膨らみや溝の見え方が変わるかを確認することがあります。
仰向けで浅くなる場合は、組織の位置変化が関与している可能性を考える手がかりになります。ただし、この変化だけで原因や適応を判断することはできません。
表情による変化
当院では、立位で無表情の状態と笑顔の状態を確認し、どの位置の組織が膨らみや溝の見え方に関わっているかを評価します。
触診による厚み、皮膚のゆるみ、左右差、骨格との関係も含めて、脂肪を減らすことが適しているかを判断します。
施術について
切開位置
口角付近に数ミリ程度の切開を行います。
正面から見たときに目立ちにくい位置を選びます。
メーラーファットとの違い
ナゾラビアルファットは、鼻の横からほうれい線外側に位置する、比較的明確に区分された浅層脂肪区画です。
一方、「メーラーファット」は美容医療で広く使われている呼び方ですが、指している範囲は一定ではありません。 ナゾラビアル脂肪、内側頬脂肪、中央頬脂肪など、中顔面の複数の浅層脂肪区画をまとめて指している場合があります。
そのため、名称だけで施術範囲を決めるのではなく、実際にどの位置へ厚みがあるかを確認します。
取りすぎには注意が必要です
中顔面の脂肪を減らしすぎると、頬が凹んで見えることがあります。
また、顔は加齢によって脂肪区画のボリュームや位置、支持組織の状態が変化します。術後は問題がなくても、将来的な変化によってボリューム不足が目立つ可能性も考慮する必要があります。
よくある質問
Q. ナゾラビアルファットとは何ですか?
鼻の横からほうれい線に沿って位置する、浅層の脂肪区画です。
顔の皮下脂肪は複数の区画に分かれており、その一つにあたります。この部分に厚みがあると、ほうれい線の上が盛り上がって見えます。
Q. ほうれい線は消えますか?
ほうれい線の見え方には、脂肪の厚み、皮膚のゆるみ、支持組織、骨格など複数の要素が関わります。
脂肪の厚みが主体であれば、除去によって溝との高低差が目立ちにくくなることがあります。一方、たるみや骨格が主体の場合は、脂肪を減らしても十分には改善しません。
ナゾラビアルファット除去は、ほうれい線そのものを消す施術ではなく、上方の膨らみと溝との高低差を調整する施術とお考えください。
Q. 自分がどのタイプか分かりません
力を抜いた状態で、ほうれい線の上をつまんでみてください。しっかりとつまめる厚みがある場合、脂肪が関与している可能性があります。
また、若いころから同じ位置に膨らみがあったか、それともここ数年で目立つようになったかも手がかりになります。診察で確認したうえでご説明します。
Q. たるみが原因の場合はどうすればいいですか?
皮膚のゆるみや組織の位置変化が主体の場合、脂肪を減らしても溝は残ります。皮膚の状態に対して脂肪を減らしすぎると、ボリューム不足や皮膚の余りが目立ち、かえって痩せた印象になる可能性があります。
この場合、リフト系の治療が適していることがあります。診察でご説明します。
Q. 頬がこけませんか?
中顔面の脂肪を減らしすぎると、頬が凹んで見えることがあります。
また、顔は加齢によって脂肪区画の状態が変化します。将来的な変化も考慮して、必要なボリュームを残す設計を行っています。
Q. 傷跡はどこにできますか?
口角付近に数ミリ程度の切開を行います。目立ちにくい位置を選びます。
傷跡は時間の経過とともに目立ちにくくなっていきますが、完全に消えることはありません。
Q. メーラーファット除去とどう違いますか?
ナゾラビアルファットは、鼻の横からほうれい線外側に位置する浅層脂肪区画です。
一方、「メーラーファット」という名称が指す範囲は一定ではなく、中顔面にある複数の浅層脂肪区画をまとめて表している場合があります。
そのため、名称だけで区別するのではなく、実際にどの位置の脂肪が膨らみを作っているかを診察で確認します。
Q. 頬の脂肪吸引とは違いますか?
範囲が異なります。
頬の脂肪吸引は、口角付近から耳たぶ方向へ引いた線より下で、フェイスラインより上にある側頬部が主な範囲です。ほうれい線上方は、この範囲とは分けて評価しています。
まとめ
ナゾラビアルファットは、鼻の横からほうれい線に沿って位置する浅層の脂肪区画です。この部分に厚みがあると、ほうれい線の上が盛り上がり、溝が強調されて見えます。
笑っていなくても鼻の横が膨らんでいる、つまむと厚みがある、若いころから同じ位置に膨らみがあった。こうした場合、ナゾラビアルファットの厚みが見え方に関与している可能性があります。
脂肪の厚みが膨らみの主体であれば、その厚みを調整することが選択肢になる場合があります。
一方、皮膚のゆるみや組織の下垂、骨格、深部のボリューム不足が主体である場合、脂肪を減らしても、ほうれい線の見え方は大きく変わりません。むしろ、たるみが目立つ可能性もあります。
つまり、ほうれい線に対して脂肪を減らすことが答えになる方と、ならない方がいます。
脂肪の厚み、組織の下垂、骨格、深部のボリューム変化を評価し、原因に合った治療を選ぶことが重要です。
切開は口角付近に行います。なお、中顔面の脂肪を減らしすぎると頬が凹んで見えることがあるため、必要なボリュームを残す設計が必要です。
▶ 顔の脂肪吸引|施術内容・費用・ダウンタイム
ほうれい線でお悩みの方へ
ほうれい線は、原因によって適した治療が変わります。
脂肪の厚みが主体であれば除去が選択肢になりますし、たるみが主体であればリフト系の治療、深部のボリューム不足であれば注入という選択肢もあります。
当院では、立位での無表情と笑顔、触診による脂肪の厚み、皮膚のゆるみ、骨格との関係を確認し、脂肪を減らす治療が適しているかをご説明します。
適応外の方に、手術はおすすめしません。
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穴井 元康
IANA CLINIC
院長
経歴
2015年 Centre Hospitalier Universitaire Grenoble Alpes(フランス)
2016年 Mackay Memorial Hospital(台湾)
2017年 産業医科大学医学部医学科 卒業
国立病院機構九州医療センター勤務
2019年 トヨタ自動車株式会社 専属産業医
2020年 東北大学病院、東北労災病院 整形外科勤務
2021年 都内整形外科クリニック院長
2023年 大手美容クリニック勤務
2025年 韓国 LaPrin Plastic Surgery Fellowship
2025年 IANA CLINIC開院
患者様一人ひとりのお悩みやご希望に丁寧に向き合い、
自然な仕上がりを重視した美容医療の提供に努めています。