「膝の脂肪を落とす運動はありますか」
「スクワットを続けても膝は変わりません」
「脂肪吸引しか方法はないのでしょうか」
膝について、こうしたご相談をいただきます。
膝は、努力が結果につながりにくい部位です。その理由は、膝上のもたつきが脂肪だけでできているわけではないことにあります。
この記事では、運動で落とせるのかという疑問と、脂肪吸引が向く方・向かない方について解説します。
この記事でわかること
✅ 膝の脂肪が運動で落ちにくい理由
✅ 脂肪吸引が向いている方
✅ 脂肪吸引をおすすめしない方
✅ 診察で確認していること
膝の脂肪は運動で落とせますか
膝周囲の運動だけで、膝上の脂肪を選択的かつ十分に減らすことは困難です。
運動による脂肪の減り方には部位差がありますが、膝を動かしたからといって、膝上の脂肪だけが優先的に減るとは限りません。
基本的には、食事と運動によって全身の体脂肪が減る中で、膝上の脂肪にも変化が現れると考えます。
つまり、全身の体脂肪が減った結果として膝も変わる、という順序になります。
全身が痩せても、膝の変化を感じにくいことがあります
体脂肪が減るとき、どの部位にどの程度の変化が現れるかには個人差があります。
また、膝上のもたつきには、皮下脂肪だけでなく皮膚のゆるみや骨格も関わります。そのため、全身の体重が減っても、膝の見た目には思ったほど変化を感じないことがあります。
運動で変わらない部分がある
膝上のもたつきは、皮下脂肪だけでできているわけではありません。
骨格そのものは、運動では変わりません。
むくみは、こまめに歩くことや脚の筋肉を動かすことで軽くなる場合がありますが、原因によっては運動だけで改善しないこともあります。
また、皮膚のゆるみが主体の場合、減量や筋力トレーニングだけで十分な改善を得ることは困難です。
▶ 膝上に脂肪がつく理由|加齢・むくみ・脂肪の見分け方
脂肪吸引が向いている方
次のような場合には、脂肪吸引という選択肢をご説明することがあります。
- 力を抜いた状態で、膝の上につまめる皮下脂肪の厚みがある方
- 減量をしても、膝だけ変化が出にくい方
- 膝の輪郭がぼやけて見えることが気になる方
- 体重が安定していて、極端な増減がない方
- 脂肪吸引で変えられる部分と変えられない部分を理解したうえで、手術を希望される方
膝は面積が小さいぶん、わずかな厚みの変化でも輪郭の見え方が変わる部位です。脂肪が主体であれば、変化を実感しやすい面もあります。
脂肪吸引が適さない場合・手術時期を調整する場合
当院では、次のような場合に脂肪吸引をおすすめしていません。
- つまめる皮下脂肪が少なく、脂肪吸引による変化が見込みにくい方
- 皮膚のゆるみが主体で、脂肪を減らすとかえってシワが目立つ可能性がある方
- むくみや片脚の腫れなど、先に原因を確認すべき症状がある方
- 体重の増減が大きく、体型が安定していない方
- 希望する変化を得るために、脂肪を過度に減らす必要がある方
- 圧迫着の着用や必要なダウンタイムを確保できない方
- 妊娠中・授乳中など、手術時期の調整が必要な方
- 血栓症の既往、重篤な基礎疾患、内服薬などにより、安全な手術が難しいと判断される方
脂肪吸引による利益よりもリスクが上回る場合や、安全に手術を行える時期ではない場合には、手術をおすすめしない、または時期を改めていただくことがあります。
皮膚のゆるみが主体の場合
膝で、とくに判断が必要になるのがこれです。
膝は曲げ伸ばしを繰り返す関節の上にあり、皮膚が常に伸び縮みしています。年齢とともに弾力が低下すると、膝を伸ばしたときに横向きのシワが寄るようになります。
皮膚のゆるみが主体の場合、脂肪を減らしてもシワの十分な改善は期待できません。
むしろ、皮下脂肪の厚みに対して吸引量が多すぎると、皮膚の余りや表面の波打ちが目立つ可能性があります。
「膝の輪郭をはっきりさせたい」というご希望に対して、脂肪吸引が答えにならない場合があります。
▶ 膝の脂肪吸引で皮膚はたるむ?膝上のシワとの関係を解説
診察で確認していること
膝の適応判断では、次の点を確認しています。
皮下脂肪の厚み
力を抜いた状態で皮下組織をつまみ、脂肪の厚みと分布を確認します。つまんだ厚みには皮膚や結合組織も含まれるため、つまめることだけで適応を決めるわけではありません。
皮膚の弾力とゆるみの程度
膝を伸ばしたときにシワが寄るか、その程度はどうか。ここが膝では大きな判断材料になります。
むくみの有無と程度
時間帯による差、押したときの戻り方。
太ももとのつながり
膝上の脂肪が、太ももの前面から連続していないか。太ももにも厚みがある場合、膝だけを吸引すると境目が目立つことがあります。
全身状態
既往歴、内服薬、血液検査の結果など、麻酔と手術の安全性に関わる項目。
BMIについて
当院では、BMIだけで脂肪吸引の適応を決めることはしていません。
BMIが高くなるほど、血栓症、麻酔、創傷治癒などに関するリスクが高くなる可能性があるため、皮下脂肪の厚み、皮膚の状態、既往歴、内服薬、血液検査、手術範囲などを総合的に確認します。
当院では、安全性と仕上がりの両面から、BMI24未満を望ましい範囲とし、BMI30程度を手術検討の上限の目安としています。
ただし、これは当院の運用上の目安であり、BMIだけで一律に手術の可否を決めるものではありません。BMIが目安の範囲内であっても全身状態によっては手術をおすすめしないことがあり、反対に数値だけでは判断できない場合もあります。
よくある質問
Q. 膝の脂肪を落とす運動はありますか?
膝を鍛えても、その周囲の脂肪から先に減るわけではありません。
運動だけで膝上の脂肪を選択的かつ十分に減らすことは困難です。全身の体脂肪が減る中で、膝上にも変化が現れる可能性があります。
Q. 痩せれば膝の脂肪も落ちますか?
皮下脂肪が主体であれば、減る可能性はあります。
ただし、脂肪の減り方には個人差があります。また、膝上の見た目に皮膚のゆるみや骨格が大きく関わっている場合には、体重が減っても変化を実感しにくいことがあります。
Q. マッサージで膝は細くなりますか?
一時的にむくみが軽くなり、細く感じられることはあります。
ただし、皮下脂肪の量や皮膚の状態が変わるわけではありません。
Q. 膝のシワは脂肪吸引で改善しますか?
膝を伸ばしたときに寄る横向きのシワは、皮膚のゆるみによるものです。
皮膚のゆるみが主体の場合、脂肪吸引だけで十分な改善を得ることは困難です。皮膚の状態に対して脂肪を減らしすぎると、シワや皮膚の余りがかえって目立つ可能性があります。この場合、脂肪吸引をおすすめしないこともあります。
Q. 膝だけ脂肪吸引を受けられますか?
受けられます。膝は単独のメニューとして行うことができます。
ただし、太ももの前面にも厚みがある場合、膝だけを吸引すると境目が目立つことがあります。診察で脂肪の分布を確認したうえでご説明します。
Q. 太ももと一緒に受けたほうがいいですか?
脂肪の分布によります。
膝上の脂肪が太ももの前面から連続している場合、一緒に行うほうが自然なラインになることがあります。診察で確認したうえでご説明します。
Q. 年齢が上がると受けられませんか?
年齢だけで判断することはしていません。
ただし、皮膚のゆるみが主体になっている場合には、脂肪を減らしても改善しないため、その旨をお伝えします。
まとめ
膝周囲の運動だけで、膝上の脂肪を選択的かつ十分に減らすことは困難です。全身の体脂肪が減ることで膝上の脂肪にも変化が現れる可能性はありますが、減り方には個人差があります。
さらに、膝上のもたつきは皮下脂肪だけでできているわけではありません。
皮下脂肪・皮膚のゆるみ・むくみ・骨格が組み合わっているためです。
骨格そのものは運動では変わらず、皮膚のゆるみも運動だけで十分に改善することは困難です。むくみは運動で軽くなる場合がありますが、原因によって対応が異なります。
脂肪吸引が選択肢になるのは、力を抜いた状態でつまめる皮下脂肪の厚みがある方です。一方、皮膚のゆるみが主体で、脂肪吸引による利益よりも皮膚の余りが目立つリスクが高い方には、手術をおすすめしないことがあります。
膝では、皮膚の状態をどう評価するかが判断の分かれ目になります。
▶ 膝・ふくらはぎの脂肪吸引|施術内容・費用・ダウンタイム
膝でお悩みの方へ
膝は、脂肪吸引が向く方と向かない方がはっきり分かれる部位です。
当院では、皮下脂肪の厚みと皮膚のゆるみの程度を確認したうえで、脂肪吸引が選択肢になるかどうかをご説明しています。皮膚のゆるみが主体と判断した場合には、その旨もお伝えします。
適応外の方に、手術はおすすめしません。
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穴井 元康
IANA CLINIC
院長
経歴
2015年 Centre Hospitalier Universitaire Grenoble Alpes(フランス)
2016年 Mackay Memorial Hospital(台湾)
2017年 産業医科大学医学部医学科 卒業
国立病院機構九州医療センター勤務
2019年 トヨタ自動車株式会社 専属産業医
2020年 東北大学病院、東北労災病院 整形外科勤務
2021年 都内整形外科クリニック院長
2023年 大手美容クリニック勤務
2025年 韓国 LaPrin Plastic Surgery Fellowship
2025年 IANA CLINIC開院
患者様一人ひとりのお悩みやご希望に丁寧に向き合い、
自然な仕上がりを重視した美容医療の提供に努めています。
