「術後、何をしてはいけないのか知りたい」
「うっかりやってしまいそうで不安です」
「いつから普通に過ごせますか」
太ももの脂肪吸引を受けられる方から、こうしたご質問をいただきます。
術後に避けたい行動を、時期別にご説明します。
太ももは、他の部位と比べて少し事情が異なります。座るという日常動作そのものが、吸引した部位に圧をかけるためです。
この記事でわかること
✅ 術後に避けたい行動の一覧
✅ 座りっぱなしを避ける理由
✅ 入浴・飲酒・喫煙の再開時期
✅ 運動を再開できる時期
✅ 長時間の移動で注意すること
術後に避けたい行動(時期別の一覧)
| 行動 | 目安 |
|---|---|
| 長時間座り続ける・立ち続ける | 術後早期は特に避け、こまめに歩く |
| 圧迫着を自己判断で中止する | 指示された期間は継続する |
| 湯船につかる | 約2週間 |
| 飲酒 | 1週間 |
| 喫煙 | 1か月 |
| 脚に負担のかかる運動 | 約1か月を目安に段階的に |
| 長時間の移動 | 時期により注意が必要 |
| 強いマッサージ | 自己判断で行わない |
なお、シャワーは術翌日から可能です。創部も洗っていただけます。
ここからは、それぞれの項目について理由と注意点を詳しくご説明します。
長時間同じ姿勢を続けないでください
太ももの術後で、最初にお伝えしたいのがこれです。
座りっぱなしを避けてください
太ももは、座ったときに体重がかかる部位です。
とくに後面を吸引した場合、座位では吸引した部分に直接圧がかかります。長時間座り続けると、痛みや張りを感じやすくなります。
デスクワークの方は、こまめに立って歩いてください。長く座り続けるより、1時間に一度程度立って歩いたほうが楽に過ごせます。
クッションを使うことで、座位の負担を軽くできる場合もあります。
立ちっぱなしも同じです
長時間立ち続けると、脚に水分がたまりやすくなります。
立ちっぱなしと座りっぱなしは、姿勢としては逆ですが、脚を動かさない時間が続く点では同じです。
長時間動かない状態を避けることは、静脈うっ滞を減らし、血栓症を予防するうえでも大切です。
歩くことは大切ですが、無理は禁物です
歩くことは推奨しますが、長時間の連続歩行や、痛みを我慢して動くことは別です。
術後の状態を確認しながら、無理のない範囲で少しずつ始めていただきます。痛みやふらつきが強い場合には、無理をしないでください。
仕事復帰で注意すること
仕事へ戻れる時期は、仕事内容と吸引範囲によって異なります。
デスクワークは数日で復帰される方が多くいらっしゃいます。ただし、太ももは座位で圧がかかるため、長時間座り続けず、1時間に一度程度は立って歩いてください。
立ち仕事では、痛みやむくみが強くなりやすいため、余裕をもった日程をおすすめします。
長時間の歩行、階段移動、荷物の運搬を伴う仕事は、術後の痛みや腫れを確認しながら段階的に再開します。
仕事へ戻る時期は、「いつ復帰できるか」だけでなく、「どの程度の業務なら無理なく行えるか」を目安に考えることが大切です。
術後の経過や仕事復帰の目安については、こちらの記事で詳しくご説明しています。
▶ 太もも脂肪吸引のダウンタイム|腫れ・内出血・拘縮の経過
脚を上げて休んでください
座っているときや横になっているときは、可能な範囲で脚を上げて休んでください。
クッションや枕を使い、脚が楽に安定する位置で支えてください。座っているときも、横になって休むときも、脚を少し高くすると、むくみや張り感が楽になることがあります。
高く上げるほど良いというものではありません。しびれや痛みが出る姿勢は避けてください。
入浴・飲酒・喫煙
シャワー
術翌日から可能です。
創部も強くこすらず、泡でやさしく洗い、流水で十分に洗い流してください。
入浴(湯船)
約2週間後からです。
湯船につかると体が温まり、腫れや内出血が強く感じられることがあります。また、創部を長時間お湯につけることを避けるため、当院では術後約2週間は控えていただいています。
創部の状態によっては開始時期を調整することがあります。
サウナや温泉も同様に、この時期は控えてください。
飲酒
1週間控えてください。
飲酒によって腫れや内出血が強く感じられることがあります。また、鎮痛薬などの処方薬を服用している間は、飲酒を避けてください。
喫煙
1か月控えてください。
喫煙は末梢の血流を低下させ、創部の治癒に影響します。紙巻きタバコだけでなく、ニコチンを含む加熱式タバコや電子タバコも控えてください。術前から禁煙していただくことが望ましいです。
運動の再開
日常生活での歩行は早い時期から始めますが、運動は種類によって再開時期が異なります。
術後すぐ
歩行は手術当日から可能です。長時間動かない状態を避けるため、無理のない範囲でこまめに歩いてください。
脚に負担のかかる運動
ランニングや筋力トレーニングなどは、術後約1か月を目安に、痛みや腫れを確認しながら段階的に再開します。
スクワット、ランジ、自転車、階段を使ったトレーニングは太ももへの負荷が大きいため、最初から元の強度に戻さないでください。
吸引範囲や回復の状態によって再開時期は異なります。自己判断で運動量を急に戻さず、経過に合わせて少しずつ再開することが大切です。
長時間の移動について
飛行機や長距離の移動は、注意が必要です。
脚を下げたまま、同じ姿勢が長時間続くためです。太ももの場合、座位で吸引部位に圧がかかる点も加わります。
術後に長距離の移動を予定されている場合は、事前にご相談ください。
やむを得ず移動する場合の対応は、手術からの時期によって異なります。一般的には、次の点に注意します。
- 1〜2時間ごとを目安に、可能な範囲で立って歩く
- 座ったままでも足首をこまめに動かす
- 脚を組んだまま長時間過ごさない
- 脱水を避け、適切に水分をとる
なお、片脚だけの腫れや痛みが急に強くなる、赤みや熱感が広がる場合は、通常のむくみと自己判断せず当院へご連絡ください。
強いマッサージは自己判断で行わないでください
「早く拘縮を和らげたい」とお考えになる方がいらっしゃいます。
しかし、術後の時期に強い刺激を加えることは、内出血や腫れの悪化につながる可能性があります。
マッサージを行う時期と強さについては、経過診察の際にご案内します。 自己判断で始めないでください。
市販の着圧用品を、圧迫着の上から自己判断で重ねることも避けてください。圧迫についても、自己判断で変更しないことが大切です。
一方で、圧迫着によって強い痛みやしびれが生じる、足先の色が悪くなる、冷たく感じるといった場合は、我慢して着用を続けず、速やかに当院へご連絡ください。
圧迫については、別の記事でご説明しています。
▶ 太もも脂肪吸引の圧迫着はいつまで?着用期間を医師が解説
よくある質問
Q. 安静にしていたほうがいいのではないですか?
休息は必要ですが、長時間まったく動かない状態は避けてください。無理のない範囲でこまめに歩くことが大切です。
痛みを我慢して長く歩く必要はありません。
Q. 座るのがつらいのですが
太ももは座位で圧がかかる部位です。とくに後面を吸引した場合、術後しばらくは座った姿勢で痛みを感じやすくなります。
クッションを使う、こまめに立って歩くなど、同じ姿勢を続けないようにしてください。
Q. 車の運転はいつからできますか?
手術当日は、麻酔の影響が残るため、ご自身での運転はできません。
その後は、眠気やふらつきがなく、運転に影響する薬を服用しておらず、痛みなく確実にペダル操作ができることが再開の条件になります。緊急時に強くブレーキを踏めるかも含めて判断してください。
判断に迷う場合は、お気軽に当院へご相談ください。
Q. 湯船に入れないのが不便です
シャワーは術翌日から可能で、創部も洗っていただけます。
湯船は約2週間後からです。体が温まることで腫れや内出血が強く感じられることがあり、また創部を長時間お湯につけることを避けるためです。
Q. 圧迫着を着けたまま寝るのですか?
当院では、術後早期は就寝時を含めて24時間着用していただきます。その後は経過をみながら着用時間を調整し、術後合計4〜6週間を目安に継続していただきます。
着用方法については、別の記事でご説明しています。
Q. しゃがむことはできますか?
術後の痛みが許す範囲で行えますが、深くしゃがむと太ももに強いつっぱりを感じることがあります。
無理に可動域を広げる必要はありません。痛みや強い張りを感じる場合には中止してください。
Q. 正座はできますか?
術後の痛みが許す範囲で行えますが、太ももに圧がかかるため、しばらくはつらく感じることがあります。
無理をせず、楽な姿勢でお過ごしください。
Q. マッサージやエステはいつから受けられますか?
自己判断で始めないでください。
術後の時期に強い刺激を加えると、内出血や腫れの悪化につながる可能性があります。開始できる時期は経過によって変わるため、診察の際にご相談ください。
まとめ
太もも脂肪吸引後で、とくに注意が必要なのは「長時間同じ姿勢を続けないこと」です。
太ももは座ったときに体重がかかる部位です。長時間座り続けると、痛みや張りを感じやすくなります。立ちっぱなしも、脚を動かさない時間が続く点では同じです。こまめに立って歩き、同じ姿勢を続けないようにしてください。
一方で、痛みを我慢して無理に歩く必要はありません。
休むときは、可能な範囲で脚を上げて過ごしてください。
シャワーは術翌日から可能です。湯船は約2週間後から、飲酒は1週間、喫煙は1か月控えていただきます。脚に負担のかかる運動は、約1か月を目安に経過を見ながら段階的に再開します。
長時間の移動を予定されている場合と、マッサージを始める時期については、自己判断せず事前にご相談ください。
術後の過ごし方に迷う場合は、一人で判断せず、お気軽にご相談ください。
▶ 太もも・臀部の脂肪吸引|施術内容・費用・ダウンタイム
太ももでお悩みの方へ
術後の過ごし方は、安全な回復と合併症の予防に関わります。
当院では、術後1週間・1か月・3か月・6か月に経過を確認し、その時期に応じた過ごし方をご説明しています。お仕事の内容や生活スタイルによって必要な注意点は変わるため、診察では生活まで含めてご案内しています。
気になる症状がある場合や、日常生活で判断に迷うことがあれば、診察を待たずにご連絡ください。
お電話でのご予約・お問い合わせ
TEL:082-298-0505
受付時間 10:00〜18:30
※カウンセリング無料

穴井 元康
IANA CLINIC
院長
経歴
2015年 Centre Hospitalier Universitaire Grenoble Alpes(フランス)
2016年 Mackay Memorial Hospital(台湾)
2017年 産業医科大学医学部医学科 卒業
国立病院機構九州医療センター勤務
2019年 トヨタ自動車株式会社 専属産業医
2020年 東北大学病院、東北労災病院 整形外科勤務
2021年 都内整形外科クリニック院長
2023年 大手美容クリニック勤務
2025年 韓国 LaPrin Plastic Surgery Fellowship
2025年 IANA CLINIC開院
患者様一人ひとりのお悩みやご希望に丁寧に向き合い、
自然な仕上がりを重視した美容医療の提供に努めています。
